対人補償は無制限にしたほうが良い

交通事故によって相手を死傷させてしまった場合、多額の損害賠償額を求められるケースがほとんどです。過去の判例によると損害賠償額が5億円を超えるケースもありました(平成23年11月1日横浜地裁)。それだけ車による交通事故では、過失による損害賠償は高額になる傾向があります。相手を死亡させたときはもちろんですが、重度の後遺症が残ってしまった場合も賠償額が高額になるケースがあります。

ただし、強制加入である自賠責保険では、最高3000万円までしか補償が受けられません。この補償金額ですと、賠償額に全く足りないということもあり得ます。ですから、任意保険での対人補償額は「無制限」にしておくと安心です。ちなみに、どの保険会社でも対人補償は無制限がおすすめされています。

対物補償は無制限でなくても良い

任意保険の対物補償で対象になるのは、交通事故によって「他人のモノ」を破損させてしまった場合です。他人の車、家の壁などはもちろん、ガードレールや電柱を傷つけてしまったときも補償対象になります。ほとんどの保険会社では、この対物補償も「無制限」がおすすめされていて、その理由は掛け金がほとんど変わらないという理由です。

人身事故に比べて、物損事故による賠償はそれほど高額にならないので、どうしても保険料を抑えたいという場合は対物補償で調整するといいです。ただ昨今では、物損による損害賠償も1000万円を超えるケースは珍しくありません。こういった実情もありますので、最低でも1000万円以上が保証される内容にしておくといいでしょう。安心を求めるなら「無制限」にしてください。